今日の修理:brother ADESSO(アデッソ)l



今日の修理は、鹿児島県肝属郡のお客さまのミシン。
brother ADESSO(アデッソ)l です。

「縫っていたらいきなり動かなくなってしまった!」と SOS 。

梅雨の真っ最中、土砂降りのなか駆けつけてみると、
プーリーの根本にある、
下糸巻き切り替え機構の内側で固着がずいぶん進行していました。

普段からたくさん縫いものをしていただいているお客さま。
ていねいにミシンを扱っていただいていても、
不具合がおきるときには起こります。
もともとそう簡単に固着などしないミシンなんですけれども。

お客さまのアトリエはコンクリートうちっぱなしの建物。
おしゃれではあるのですが、
空調をコントロールするのがむずかしいらしく、
日頃から出入り口を開放して作業されているそうです。

「雨音を聴きながらミシン作業」なんてじつに素敵ですが、
風の流れを観察すると、
湿気を大量に含んだ外気がミシンに襲いかかっているようにも見える。

ミシンを開いてみると、
上軸にびっしりとサビが出ています。
送り歯や釜周辺にも点々と茶褐色。

サビもそうですが、
電子部品とミシン油によくないのです「湿気」って。

固着の解消・清掃をおこない、
ミシンの整備を終えたところで、
アトリエ内でのミシンの配置や空調についてお客さまと一緒に考えました。

この季節に限らず、
日本で湿気問題から逃れることはできませんが、
(冬は冬で、加湿のしすぎが問題になります)
湿気対策をおこなうことで、
ミシンの寿命はずいぶん変わってくるのですよねえ。

「ミシンを長く使っていただける環境」をアドバイス。
それもミシン専門店の仕事です。




4歳児でもミシン講習



子供も4歳5歳になってくると、
「ものを作る道具」に興味がでてくるころ。

使い方を教えれば、
自分の使う雑巾くらいはけっこう簡単に縫い上げてくれます。

幼稚園児が操作できるということは、
それだけ扱いやすいミシンであるということ。

「子供なんだから最低価格帯のミシンを与えておけばいい」
という考え方は、
「私なんて洋裁初心者だからいちばん性能が低いミシンでいいの」
と同根です。

ミドルクラスのミシン、
たとえば brother COMPAL 700/900 クラスだと、
スタート・ストップボタンが、
布押えを上げた状態だと赤、降ろしていると緑に点灯する。
いつも見ている信号と対応しているので、
子供にも理解しやすいのです。

ハサミの絵が書いていあるボタンは糸を切るボタン。

子供がミシンの操作をおぼえていく過程を眺めていると、
大人にも大きな気づきがあります。




重ねたタオル地もへっちゃらで布送りしてくれるミシンなら、
子供に扱わせても安心です。
うしろからぐいぐいひっぱらないと生地を送ってくれないミシンなんて、
怖くて、とても幼児には使わせられない。

もちろん、
子供はびっくりするような行動をとるものなので、
目を離しちゃいけませんけれどもね。
やさしい目で見守ってあげていてください。

自分が縫い上げた雑巾って「作品」なんです。
誇らしい。
(でもそれはほんとは大人にとってもそうなんですよ)

がんばって縫い上げた雑巾ですもん。
一緒にお掃除、一生懸命、手伝ってくれると思います。




Happy Birthday to You



〜というときは、
ART SHOP わたの実さんで花束を作ってもらってます。

花をまとめていただく合間に、
お話しいただくあれこれの含蓄の深いこと深いこと。

いつも勉強させていただいております。




来週のロックミシン講習



これを作ります。




ネットオークションミシンのリスク



ネットオークションが出自のミシン修理依頼の場合、
けっこうな割合で、
「知人から譲り受けたミシンなんですけど」と、
入手手段を隠される方が多い。

「オークションなんかで買ったミシンを持ってくるな!」
と門前払いされると思っているのかなあ。
いや、実際、そういうミシン専門店もあるらしいですけどね。

修理対応のできるミシン専門店は、
それなりに経験を積んでいるので、
「あ、このお客さま、なんかウソついてるなあ」
というの、感じてわかってしまうのです。

信頼関係があってこそのやりとりなので、
「オークションで手に入れたものなのですが」
と正直に話していただけるほうが本当はうれしいですね。
入手手段が不具合解決の糸口になることだってあります。

大隅ブラザーはそのへんこだわらないので、
オークション品だろうがなんだろうが、
修理依頼、じゃんじゃん承っております。

ただし、
オークションに出されているミシンは、
「かなりの高率でダメダメなものが多いですよ」とは、
お伝えしておきたいと思います。

ネットオークションに出品されているミシンには、
「動作可」と書いてあったりするでしょう。
でもこの「動作します」と「縫製できる」のあいだには、
広くて深い溝があるのです。

今日、修理依頼で持ち込まれたものなのですが、
上の写真のロックミシン、
10,000円(税別・送料別)で買われたのだそうです。

電源入れてフットコントローラーを踏む。
動かない、断線です。
コードを振ると、かろうじて動くようになる。
でもその動きがたいへん不規則。
注油すると一時は動く、でも、すぐに不規則になり、止まる。
各部のグリスも固まっていて動きが悪い。
糸調子機構もまともなテンションをかけられない。

でもこういう代物が「動きます」と出品されているんですよね。
「クレーム・返品返金不可」と但し書きがついて。

もちろん、
ネットオークションでいい買い物をされて、
すてきなソーイングライフを送っておられる方もたくさんいると思います。
でも、そうでない方が、
ミシン専門店に「修理できるでしょうか」と相談されることが、
増えてきているのはもまた、事実。

修理できるものなら、ミシン専門店は修理します。
でも、修理代はきちんとかかります。
修理できるならまだいいかも。
「修理部品がもう手に入らない」そんなミシンもじつは少なくない。

新品のミシンだって動作確認・試し縫いをしてから買うのが、正道。

低価格のオークションミシンには低価格なりの、
高価格のオークションミシンにも高価格なりのリスクがある。

そのリスクは「一般に想像されている以上に大きい」のですが、
なかなか周知できていないのは、
はい、ミシン専門店の努力不足であることはまちがいない。
まことにもうしわけございません。

田舎の吹けば飛ぶよなミシン専門店。
蟷螂の斧であることは重々承知していますが、
それでも、
今後もきちんとお伝えしていかなければとあらためて思った次第なので。
ひとこと。




スコールではないけれど



梅雨です。

「雨というよりスコールだ」
みたいな云い方をよくしていたのですが、
もともと「スコール」は、
「熱帯で降ってそうな豪雨」ではなく、
「突然吹き荒れる暴風」という意味なのだそう。

激しい雨をともなうこともあるけれど、
基本的には「風」にまつわる言葉なんだって。

風はたいしてないけれど、
大粒の雨がものすごい勢いで叩きつけてる今日の鹿児島です。
カミナリも、ときおりごろごろ。

【追記】
風も出てきた。
突風・竜巻には注意!





セントレアイメージソング「翼があるなら」八神純子



中部国際空港セントレアイメージソング
「翼があるなら」八神純子【公式】


今回の出張中、ヘビーローテーション。
やっぱりいいですよ、八神純子は。




明日から名古屋出張です



流浪のミシン専門店、大隅ブラザー。
明日から 2 日間、名古屋へ出張です。

期間中、
電話にさくっと出られないこともありますのでご了承ください。
お客さまサポートは、
いつものようにチャットワークメールでお願いいたします。

というわけで、
鹿児島-名古屋間の飛行機の中や、
ミュースカイで中部国際空港と金山を行き来しているあいだ、
ドヤ顔する余裕もなく、
必死こいて MacBook Pro に向かってる姿を見かけたら、
「もしかして鹿児島のミシン屋さん?」
と温かい目で見守っていただけましたら幸いです。

明後日はいつものように、
Eー刺繍工房さんのところに、
遊びもとい勉強しに伺いたかったのですが、
急遽、名古屋にて刺しゅうPRO(フォトステッチ)講習が入りましたので、
生徒ではなく「先生」として過ごしてきます。

うまい手羽先でも食べてきますね。




今日の修理:brother Innovis N80α その他



今日の修理は、
鹿児島県鹿屋市のとある公共施設で使われている、
brother Teddy 30 を 4 台と、
brother Innovis N80α を 4 台です。

修理と云っても、
毎年、この時期に点検させていただいているミシン。
施設の担当の方もたいへんていねいに管理して使ってくれていますので、
大きな不調はありません。

それでも不特定の方があつかうミシン。
気になるところもあるのでしっかり点検させていただきます。




とくに、
独自の糸通し機構がユニークな Innovis N80α は、
糸カセットの挿入であまり無茶なことをすると、
むきだしの糸通し機構を痛めてしまうことも。

糸カセットを挿入するときは、
・針上下ボタンで針を上にあげ、
・緑色のパイロットランプが点灯していることを確認
してからおこなってください。

ちなみに、
「布押えを上げて(糸調子皿を開いて)糸道に沿って糸通し」
という一般的なミシンでおこなう所作は、
この糸カセット式ミシンに限っては必要ありません。

そういう意味では「お手軽」なのですが、
手順を知らない方がぎゅうぎゅうカセットを押し込むと、
けっこうな確率で糸カセット機構を痛めますので注意が必要です。




今日の修理:brother PC-8000



今日の修理は、
鹿児島県鹿屋市のお客さまの家庭用コンピュータミシン。
brother PC-8000 です。

ミシン目の送り量がおかしくなっていて、
縫い目 2.5mm のはずが 5mm くらいで縫えてしまってました。
これを調整。

固着がはじまりかけていましたので、これも対応。




自動糸切り機構のついたミシンには、
内釜に小さな絨毯状の部品が取り付けられていることが多い。
これは「ただの飾り」ではなくて、
糸切り時に糸を保持する大切な役目があるのです。

ミシンの内部を清掃するとき、
ついつい取ってしまう方もおられるのですが、
それだけのことで糸切り不良・縫製不良になることも。

見つけたら、埃だけ取って、そっとしておいてあげてくださいね。




ただいまのコットンフレンドプレゼント、夏号です!



6月に入ってずいぶん夏らしくなってきました。

大隅ブラザーでは、
現在、ミシンをお買い求めいただいたお客さまに、
「コットンフレンド」(ブティック社)をお渡ししています。

このプレゼント、
ただいま夏号に切り替わっていますよ。

新しいミシンで気分も新たにソーイング。
コットンフレンドがとってもいい相棒になってくれる。
好評のキャンペーンです。




刺しゅうPRO「ソフトウェアキーが接続されていません」の場合



先日、brother 刺しゅうPRO 10 をお買い求めいただいたお客さまから、
お問い合わせがありました。

インストールしたけれども、
「刺しゅうPRO ソフトウェアキーが接続されていません
刺しゅうPRO ソフトウェアキーを正しく接続して下さい」
のアラートが出て起動しない。
USB ソフトウェアキーを挿し直したり、コンピュータの再起動、
刺しゅうPRO の再インストールを行うも、
やはりレイアウトセンターが起動しない。
どうしたらいいでしょう?

とのことです。

「USB ソフトウェアキーそのものに問題がある」
という可能性ももちろんあるのですが、
それを疑うのはまだ早い。

「刺しゅうPRO ソフトウェアキーが接続されていません」
のアラートが出る場合、
もっとも考えられるのは以下のふたつです。

★ PC 側の「USB ポート」の不具合
★ コンピュータに取り付けられている「USB ハブ」の不具合

最近の PC は USB ポートを複数搭載しているのですが、
そのどれもが同じ性能かというとかならずしもそうではないようです。
供給電力が弱いポートが混在していることがある。
こっちの USB ポートがダメならとなりのポートを試してみましょう。
それだけで問題なく認識してくれることもある。

また「USB ハブ」を使って、
たくさんの USB 機器を接続している方も多い(当店もです)。
USB 機器を同時に使いすぎちゃうのも、
供給電力不足やシグナルが安定しない原因となります。
規格通りに作られているかどうか怪しい、
メーカー名も不確かな USB ハブを使われている方もおられます。
USB ハブ を使っている場合、
いちどソフトウェアキーを PC に直接つないでみてください。
それだけですんなりソフトウェアが起動したりする。

刺しゅうPRO に限らず、
「brother ネームPRO」や、
「JANOME Digitizer MBX」など刺しゅうソフトには、
ソフトウェアの不正コピーを防止する、
USB ドングル(プロテクトドングル)の仕組みが使われています。

小さなものであることが多いため、
「なくしてしまわないこと」が大切ですが、
「接続している USB ポートが適切かどうか」
も気をつけてあげたいところです。

今回のお客さまは上記ひとつめの方法で解決しました。
よかったよかった。


【追記 2016年6月22日】
「この記事でトラブルを脱した!」という声を、
ユーザーさんやミシン専門店さんからお聞きするようになりました。
お役に立てて光栄です!
というか、
想像していた以上に、
このトラブルにはまっちゃってる人が存在すること、あらためて。

FAQ だと「再インストールを」なんて勧められちゃいますが、
その前にぜひ試してもらえるとうれしいな。








業務連絡



3:1で確認した針棒を選択し、プーリーを回してシールに針穴をあける。
(シールははがさない)

針左右調整の基準針は「4」。





4:何か模様を選択し、カメラモード(拡大表示)にする(添付ファイル参照)。




5:画面で針穴と十字カーソルのズレを確認。




今日の修理:brother ADESSO I



今日の修理は鹿児島県肝属郡のお客さまのコンピュータミシン。
brother ADESSO(アデッソ)I です。

「ミシンがだんだん布を送らなくなってしまった」
と持ち込んでいただきました。

ふむふむ、とお客さまの前で点検させていただいたのですが、
あちこちのネジがゆるんだりなくなっておりました。

分解して自分で直そうとしてみましたね?お客さま。




このミシンだと針板をとめるマイナスのネジが3つあります。
釜周辺の清掃や整備をするときは、
このネジを外して針板を外すわけですが、
「毎回、きちんとしめるのはめんどくさいのよね」(お客さま談)と、
しっかりしめなかったり外したまま使っていたそうです。
そりゃあ、きちんと布送りしないよなあ。
ははは。

と、笑いごとではないのです。

固定していない針板に干渉して、
送り齒の高さが狂ってしまっていましたし、
きちんと縫えないために、
糸がからんだり針が折れたり曲がったりで、
1 年前に交換したばかりの内釜も傷だらけ。

「調子が悪いときには分解して自分で調整したくなる」
そういうお客さまもおられるのですが、
理屈がわからないまま、
あっちのネジをゆるめこっちのネジをゆるめしていると、
まあ、どんどん調子が悪くなっていきますわね。

「清掃くらいはしてくださいね」
とミシン専門店としては伝えたいところです。
クリーニングだけでミシンの寿命は大きく変わります。
が、これもお客さまによるのです。

清掃の仕方を細かく伝えて OK のお客さまもおられるし、
「いまのミシンは清掃とか注油はしなくていいですよ」
と念押しさせていただくお客さまもいる。

「どう伝えたらお客さまにミシンを長く使っていただけるかな」
考えながら、お客さまのタイプによって伝え分けているわけ。
大隅ブラザーとしては。

まあ、バラすのが好きな方は、
どう伝えてもどんどこ分解しちゃうんですけどね。

ともあれ、
調子が悪くてしょっちゅう針板の内側にアクセスしてる、
なんてミシンは、
根本的に調子が悪いので、
お近くの信頼できるミシン専門店に相談するのがよいのです。
放置したままだと状況はどんどこ悪くなっていきますよ。




今日の修理:brother SAMANSA



本日の修理は、
鹿児島県鹿屋市のお客さまの家庭用コンピュータミシン。
brother SAMANSA(サマンサ)です。

持ち込んでいただいた時点で、
糸取りバネが破損、内釜にも大きな傷がついているのをはじめとして、
あちこちに不具合が出ていました。

ミシンも機械なので部分的に壊れることはありますが、
こう同時多発的に故障が出てくるということは、
その元になった「最初の不具合」がありそうです。




症状をならべて考えていくと、
パルスプレートの制御が怪しい。

いちばん最初の関門で上糸がコケてしまっているため、
・糸調子が正常に取れなくなってしまい、
・縫製の不具合をおこしながら、関連部品が破損。
という経過をたどったのではないかと、想像。

このくらい古いミシンだと、
交換部品はともかく、新しい修理部品が手に入りません。

もう少し調整を続けてみますが、
調子が戻らないようでしたら、
残念ながら「修理不可」ということになります。
むむむ。



インストール中



新年度が始まり慌ただしい時期にかぎって、
システムの再インストールが必要な事態に陥ったりするものです。