刺しゅうPRO:フォトステッチ ダイハツ タント



今回の刺しゅうは、
ダイハツ タントです。

サイズ:340mm×340mm
397,042針(44色)
ミシン:brother PR1000e
アプリ:Photoshop CS5、刺しゅう PRO(刺しゅうプロ)NEXT
制作:Akihito Kouno





大隅ブラザー、初の自動車の写真刺しゅうです。

刺しゅうPRO のフォトステッチ機能はたいへん優秀。
しかし、なにせ「刺しゅう」です。
糸の太さという物理的な制約もあり、
絵を精密に表現するというより、
まずは太いタッチの油彩画的表現に向いています。

半面、
建物や自動車など、
人工物の直線&曲線の表現にはあまり向いてない、
と云われることもある。

でも、そうでもないかもよ?
というところを、
今回、見ていただきたく作ってみました。

写真でもない絵でもない、
フォトステッチにしか出せない風味。
そんなものを醸し出すにはまだ修行が足りませんが、
「こういう表現もできるんだ」
ということを知っていただければ、
この分野にチャレンジしてくれる方がもっと出てきてくれるかも。

そんな期待を込めて。




ダイハツ タントのアイボリーは、
本来、もうすこしパステルカラーな感じ。
写真だとちょっと色味が濃く見えます。
実際の刺しゅうは実車に近い感じで仕上がっていますよ。

来月は、
ダイハツの中の人に実物をお披露目することになっています。

制作途中を見ていただいたお客さまには、
「タイヤのホイールにさわりたくてうずうずする」
と云っていただいたので、
ふれて味わっていただきました。

それもまた刺しゅうの楽しみかた。

角張っていながら丸い感じ。
これを糸のグラデーションだけで表現してしまうのですから、
刺しゅうPRO、おそるべし。

フォトステッチの機能だけでも、
使えば使うだけどんどん奥が深くなる。
「空が高くなる」とも云えるかな。
ミシンを動かすたび、毎回、新たな発見と感動の連続です。




大きさの比較のために。

額装して brother Innovis LA と。
こうしてならべると小さいサイズのミシンに見えますね。
LA もずいぶん「ごつい」ミシンなのですが。




今回もがんばってくれた PR1000e と記念写真。

明後日は、南大隅町でフォトステッチ講座。
来月は、遠方からきていただくお客さまもいます。
それまでに間に合ってよかった。

1年前の作品を使って講習するより、
できたてほやほやの作品にまつわるあれこれ、
そうしたエピソードを紹介しながらの講習のほうが、
教えるほうも教わるほうも「熱を感じられる」もの。

「フォトステッチはむずかしい」
ではなく、
「むずかしいけど、おもしろい!」

そんなふうに感じてもらえたらうれしいな。