刺しゅうPRO:お客さまのフォトステッチ作品



brother Innovis D400J をお使いのお客さまから、
「新しい刺しゅうができましたよ!」
とご連絡いただきました。

かわいい!
かっこいい!

すてきな刺しゅうですね。
もう、どんな言葉も必要ない。
D400J の最大枠サイズは160 × 260 mm 。
それをめいっぱい使っていただいて、
じつにみごとなフォトステッチ作品を作っていただきました。

刺しゅうや縫製、ミシンの操作もそうですが、
写真への造詣の深さがあるからこその作品です。
以前から写真刺しゅうを楽しんでいただいていましたが、
「お、これはひとつ到達したな」
そういう手応えも、また、感じておられるのでは。

今年最後に、
こんなにすばらしいフォトステッチを見せていただけるなんて。
大隅ブラザーもうれしくてうれしくて。

brother さんには、
次回の刺しゅうPRO のカタログに、
こういう作品を、
作例としてぜひ使っていただきたいと思います。
ほんと、ぜひ!




ところで、じつは、
このすてきなフォトステッチ。
最初の刺しゅうはこんな感じに仕上がっていました。

ちがい、わかります?

刺しゅうのあちこちに、
ふちどりのように白い部分ができています。
また、
右側の縁をみると、
左の縁にくらべてずいぶんがたがたしています。

これ「縫いずれ」です。

こんなふうに縫いずれがおきてしまう原因としては、

1. ミシン・刺しゅう機の故障。
2. 刺しゅう機・刺しゅう枠が、
  ミシン周囲のなにかに当たってしまっている。
3. 縫製途中になんらかの原因で、
  刺しゅう機・刺しゅう枠がずれてしまった。

上記の理由が考えられます。

1. はもちろん可能性としてはありますが、
事例としてはじつはそれほど多くない印象。
それよりも 2. と 3. をまずは疑ってほしいのです。
「いつも同じようなところで刺しゅうがずれる」
という場合、2. であることが多い。
また、ミシンが不調で、
刺しゅう糸がからまったり切れたりをくりかえす、
なんてときには、
それが原因で刺しゅう枠がずれてしまうことがあります。

上記の刺しゅうの場合、
刺しゅうの途中で糸がからまって、
いちどミシンが止まってしまったとのこと。

からまった糸が、
刺しゅう枠と刺しゅう機を固定してしまう。
そのままの状態で、刺しゅう機が動く。
そのときに可動部分がずれをおこしてしまう。
大隅ブラザーもずいぶん経験してきました。

シンプルな模様なら、
この縫いずれ、わりとすぐ発見することができます。
が、フォトステッチの場合、
気づくのに時間がかかることがある。

フォトステッチの途中で、ミシンのトラブル!
「もしかしたら、
 いま、刺しゅう機がずれちゃったかも???」
そんな疑念が脳裏をよぎった場合、
さあ、みなさん、どうします?

大隅ブラザーのおすすめは、
「電源をいったん切ってミシンをリセットする」
という方法です。

ミシンと刺しゅう機が初期設定に戻るため、
これだけで刺しゅう機のずれは解消されます。

Innovis 4000、5000、VF1、LA といった機種や、
PR 655、1000e といった刺しゅう機には、
「レジューム」という機能が搭載されています。
電源を入れなおしするだけで、
直前の状態にミシンが自動で戻ってくれる。
これがたいへん便利なのです。

でも、
レジューム機能がない刺しゅうミシンもあります。
その場合、以下の方法で対応してみてください。

     *     *     *

まずは、ミシンが止まっている状態で、
針数がどこで止まっているかメモしておきます。
たとえば、
ミシンの液晶の「13423/23330」という表示は、
「23,300針のデータを13,423針まで縫っている」
ということですから、
「13,423」とメモしておく。

ここで、ミシンの電源を入れなおします。

刺しゅうデータをあらためて選択し、
縫製できる状態に持っていってから、
このボタンを押します。




これです。

-1、+1
-10、+10
-100、+100

というボタンが表示される画面に切り替わりますので、
それぞれのボタンを押して、針を進めます。
上記の例だと、
ミシンの表示が「13,423」になるまで、
これらのボタンで針数を持っていけばいいわけです。

フォトステッチのように糸数・針数が多いものは、
糸コマの形をした - と + のボタンを使って、
針を進めてあげるとラクなはず。

針数が「13,423」まで到達したら、
縫い目が重なるように、
10針くらい戻して、
「13,413」あたりに針数を持っていってから、
刺しゅうを再開する。

これで OK です。

上記、刺しゅうミシンの基本的な操作ですが、
長く刺しゅうミシンを使っている方からも、
「そんな便利な方法があるの、知らなかった!」
と云われることの多い機能でもあるので、
あえて、記事にしてみました。

「縫いずれ(かもしれないとき)には、
 ミシンのリセット」

これ、ぜひ、おぼえておいてくださいね。